Tシャツの歴史

さかのぼること19世紀、Tシャツはただの下着でした。

しかしそれがのちにファッションになり、ビジネスツールになり、自己表現やアートにまで進化。

おそらくだれも想像しなかった未来、当時の人々の目にはどのように映るのでしょうか。

本来の目的から進化し続けたTシャツ、その歴史を辿ってみたいと思います。

Tシャツの歴史年表

まずは、Tシャツのターニングポイントを年表にまとめてみました。

時代できごと
19世紀後半欧米海軍がウールのTシャツを下着として着用
1913年米軍がコットンTシャツを公式採用
1920年『Tシャツ』という単語が正式に米辞書に追加
1938年米大手百貨店シアーズがTシャツの販売を開始
1947年ヘインズが3PパックTを発売
1950年代映画にて人気俳優マーロンブランドや、
ジェームズディーンのTシャツルックが話題に
1959年プラスチゾルインクの発明
1970年代〜プリントTシャツ市場の拡大

3ステップで変化したTシャツ

年表をもとに、Tシャツの歴史を3ステップに分けて深掘りしてみます。

  1. Tシャツの起源
  2. 下着からの脱却
  3. 表現ツールへ

Tシャツの起源

Tシャツの起源は、19世紀後半。

当時の労働者は、寒さを凌ぐためユニオンスーツとよばれる上下繋がったウールのアンダーウェアを着用するのが主流でした。

そして暑い時期には、これを半分に切り離して着用していたようです。

一方、最初にTシャツを着用し始めたのは欧米海軍。当時の海軍はウールのTシャツを下着として着用していました。

その後、第一次世界大戦では米軍がコットンTシャツを公式採用しています。

戦争から戻った兵士たちは、それらを日常的に着用し始めました。

下着からの脱却

1938年、当時アメリカ大手の百貨店シアーズは、Tシャツの販売を開始します。

そしてTシャツをファションとして最も大きく昇華させたのは、ハリウッド映画でした。

1950年、映画『欲望という名の電車』で、俳優マーロンブランドの白いTシャツ姿が一躍注目を集めます。

それに続き1955年、映画『理由なき反抗』で、俳優ジェームズディーンのTシャツスタイルがその人気に拍車をかけました。

『軍服』や『下着』といったTシャツのイメージを一新し、『ファッションアイテム』として広まっていきます。

表現ツールへ

Tシャツを『衣服』から『表現ツール』に変えたのがプリント技術です。

1959年プラスチゾルインクの発明、1960年代にはスクリーン印刷が誕生します。

これにより、プリントデザインのバリエーションが大幅に広がったのは言うまでもありません。

1970年代〜80年代にかけ、プリントTシャツは巨大マーケットへと発展し、ビジネス・政治・自己表現などあらゆる分野に活用されるようになりました。

  • プロモーションTシャツ…広告
  • スーベニアTシャツ…お土産・記念
  • スローガンTシャツ…主張・メッセージ
  • バンドTシャツ…音楽
  • ブランドTシャツ…ファッション

このように、プリントとの掛け合わせにより多種多様なマーケティングツールへと変化を遂げたのです。

Tシャツの歴史にまつわる豆知識

ここからはTシャツにまつわるちょっとした豆知識です。

『Tシャツ』が辞書に追加

1920年、初めて米辞書に『Tシャツ』という文字が掲載されました。

これは同年、作家のF・スコット・フィッツジェラルドが、小説『楽園のこちら側』で初めて『Tシャツ』という言葉を用いたからだと言われています。

最古のプロモーションTシャツ

1939年、『オズの魔法使い』の映画を宣伝するために制作されたTシャツが、最初のプロモーション用Tシャツだと言われています。

また第二次世界大戦後の1948年、共和党の大統領候補だったトマス・E・デューイが、『Dew-It with Dewey』というスローガンTシャツ作りました。

このTシャツは最も古いスローガンTシャツとして、スミソニアン博物館に現物が展示されているようです。

Tシャツのギネス世界記録

Tシャツに関するギネス世界記録をご紹介します。

世界最大のTシャツ

2018年、インドの団体が96.86×69.77mのTシャツを制作し、世界記録を達成。

このTシャツは、20万本のペットボトルから再生されたリサイクル繊維で作られました。

この超巨大サイズTシャツは、このあと1万枚の通常サイズのTシャツに作り直し、恵まれない子どもたちに配布されるとのことです。

世界最大数のTシャツの重ね着

2019年、カナダの男性がTシャツを一度に260枚重ね着したとして世界記録を達成。

記録を出すため、Mサイズから20XLサイズまでのTシャツを重ねていったとのことです。