本記事では、ヴィンテージTシャツの見分け方を紹介します。
ヴィンテージTシャツにはいくつかの特徴があり、それをヒントにある程度の年代を判別することができます。
ここでは主に、1980〜1990年代のヴィンテージTシャツによく見られる特徴を5つ解説します。
ヴィンテージTシャツの基礎知識としてぜひ参考にしてみてください。
ヴィンテージTシャツの見分け方

ヴィンテージTシャツの見分け方を以下5つのポイントに分けて紹介します。
①生産国
②シングルステッチ
③タグの素材と形状
④コピーライトの年号
⑤50/50(FIFTY-FIFTY)
ひとつずつ見ていきましょう。
①生産国
まず1つ目は、Tシャツの生産国です。

古着Tシャツの場合『MADE IN USA』であれば、1990年代またはそれ以前に作られたヴィンテージである可能性が高まります。
Tシャツの生産国は時代によって変移していきました。
たとえば古くからアメリカ国内で生産されてきたTシャツは、1980年代に『カリブ海流域イニシアチブ』が制定され、徐々に海外生産へと移行していきす。


その影響から、1980年代のTシャツのタグには『MADE IN USA』ではなく、『CRAFTED WITH PRIDE IN U.S.A.』と印字されたものが多く存在します。
国外製造への移行が増えていく中、メイドインアメリカのプライドを守るための取り組みとして1984年から記されるようになった。
その後1994年に発効された『北米自由貿易協定』によりさらに海外貿易が拡大します。
アメリカ・メキシコ・カナダの3カ国間の関税をなくし、自由貿易を推進することを目的として1994年に発効。
このようにTシャツの生産国は、徐々にアメリカ国内から海外へと移行してきました。
現在日本で販売されているTシャツの多くが中国製ですが、中にはアメリカ製にこだわったTシャツもあります。
以下記事で現在販売されているアメリカ製の無地Tシャツを紹介していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
②シングルステッチ
2つ目は、Tシャツの袖口や裾の縫い目です。


Tシャツの袖先や裾は、主に『シングルステッチ』か『ダブルステッチ』のどちらかが採用されています。
シングルステッチは、1980年代から90年代にかけてアメリカで最も一般的な製法だったため、ヴィンテージTシャツの特徴のひとつとして知られています。
別名”ブラインドステッチ“や”天地縫い“とも呼ばれ、縫い目の少ないシンプルな見た目と手縫のような風合いが魅力です。


現在はダブルステッチが最も一般的となりましたが、ヘインズのプレミアムジャパンフィットTや3PパックTのように、シングルステッチを採用しているTシャツもあります。
以下記事では現在販売されているシングルステッチ仕様の白Tシャツを紹介しています。
③タグの素材と形状
3つ目は、タグの素材と形状です。
Tシャツのタグは時代と共に大きく変化してきました。ここでは1980年代〜2000年代前半までの代表的なタグを3種類ご紹介します。
紙タグ


紙タグは薄くてぺらっとした紙のような素材で作られており、主に1980年代のTシャツに多く見られます。
洗濯を繰り返すとシワになったり、プリントが消えてしまったりと、劣化しやすいのが特徴。くたびれたヴィンテージ独特の風合いが魅力でもあります。
サテン/ナイロンタグ


つるっとした光沢あるサテンやナイロン素材のタグは、主に80年代後半から普及していきます。
FRUIT OF THE LOOMのように2つ折りでリング状になったタイプや、Hanesのように1枚ペラで縫い付けられたタイプもあります。
2枚タグ


タグが2枚重なった2枚タグは、1990年代後半〜2000年代始め頃に多く流通しました。
1枚目の短いタグにはブランドロゴ、2枚目の長いタグには洗濯方法などの品質表示が数か国語でブリントされています。
④コピーライトの年号
4つ目は、コピーライトの年号です。
プリントTシャツの中には、グラフィックの端に小さくコピーライトの年号が記されている場合があり、これによって販売時期を知ることができます。

例えばこの写真の場合”(C)1997″とプリントされているため、1997年頃に販売されたヴィンテージTシャツだと推測できます。
最初の『C』は、Copyright(著作権)のことで、プリントされているグラフィックの作者が持つ権利を示しています。

ちなみにこの写真の場合、『(C)XCV』とプリントされています。
『XCV』はローマ数字なので、これを普通のアラビア数字に変換すると『95』。つまり1995年を示しています。
復刻版などでコピーライトの年号と販売された時期が違うといった例外もあります。
⑤50/50(FIFTY-FIFTY)
5つ目は、Tシャツの素材です。

50/50(フィフティ・フィフティ)とは、Tシャツの素材の割合がコットン50%ポリエステル50%のブレンドを意味します。
50/50はコットン100%のTシャツに比べ、軽量でシワになりにくいのが特徴です。
50/50が1980年代から1990年代に多くみられることから、ヴィンテージTシャツを見分けるヒントのひとつとされています。
ヴィンテージTシャツの見分け方まとめ

ヴィンテージTシャツの見分け方について紹介しました。
最低限この5つを知っておくと、ヴィンテージTシャツを見分けやすくなると思います。
ちなみにチャンピオンのヴィンテージTシャツの特徴については以下書籍で学ぶのがおすすめです。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
カリブ海22か国との貿易関税を引き下げる制定。カリブ海諸国の経済の活性化を促す計画として、1984年から90年代後期まで実施された。これを機に人件費の安いカリブ海諸国へ製品製造を移行するようになった。